むぎのゴハン

食べるのも作るのもスキ おうちごはん、ライフスタイル中心に書きたいことを色々

【宣誓】インスタントもジャンクフードも受け入れます

私の性格は、大雑把で適当、なおかつ面倒くさがり。計量カップや、計量スプーンを汚すのが面倒くさいからといって、料理の味付けもほとんど目分量、味覚任せ。うすあげの油抜きなんかも、気が向かなきゃやりません。

料理って、下ごしらえを丁寧にやれば、丁寧にやった分だけ、味にも、見た目にも反映されるジャンルだと思っています。本来、面倒くさがりが好きになれるはずがない気もするんですけど、どういうわけか、私は好きになれちゃったから不思議なものです。

一度も会ったことはないんですけれども、血の繋がりのある祖父の方が、実は、割烹を長年営んでいたらしいので、それが隔世遺伝したのかな……、なんて考えることもあります。祖父にしても、私にしても、そのお味が美味しいものかどうかは、さておきですが。笑

 

▼手抜き恐怖症

私はお料理が好きです。食べることも好きです。デミグラスソースを作ってハヤシライスとか、キャベツを一枚一枚湯がいてロールキャベツとか、べらぼうに時間がかかる昆布巻きとか。そういう、大変手が込んだモノを作りたい時もあるし、洗い物も含めて、1時間以内で済ましてしまいたい気分の時もあります。

けれど、私の中の最大の手抜きは、1時間以内で全てが終わるもの。そこに、外食や、スーパーの惣菜、冷凍食品、インスタント商品の力を借りる、ということは含まれていません。

自分が食べる分にはなんでもいいんです。面倒くさいが先行するので、それこそ、納豆だけでも、お茶漬けでも。ところが、人に物を食べさせるとなった途端、ある程度栄養があって、自分が作ったものじゃないと怖くなってしまうんですよね……。いやはや、他人からみたら、まあなんと面倒くさい奴でしょう。笑 

私も、元来の性分は、面倒くさがりなので、「はあ! ここ手抜きできるのに! なんでできないんだか!!」と心の中で、自分をビンタしています。

 

怖くなってしまう原因は、日頃の食生活がたたって、早死してしまった人を間近で見てしまったから。どれだけ料理が好きでも、作りたくない時があるのは当然だし、疲れているときぐらい、キッチンに立たなくったっていいのに、「……ここで手を抜いたものが、積み重なって早死させてしまったらどうしよう」という風に、私の思考回路が繋がるようになってしまっているんだと思います。

早死したのは義理の父なんですが、死因は高血圧によるものでした。病名は大変難しくて忘れてしまいましたが、大動脈解離に似たものなんだとか。

義理父の食生活は、高血圧で、毎回健康診断に引っかかるのに、病院は嫌いだからといって通院はせず、適度に気をつけながら、好きなものを食べる日々でした。

スーパーの惣菜、チョコやアイス、炭酸飲料など糖質、脂質の高いもの、鶏皮とか、塩気が強いものとか。体を気にして控える場面もありましたが、あとは好き勝手に食べていました。アイスなんか、毎日2本食べている日も多かったです。

晩ご飯によく出てくる、スーパーの惣菜にしても、味が濃いし、脂っこいしで私はあまり好きじゃなかったので、母に「惣菜ばっかりだと味濃すぎない? 栄養的にダメじゃない?」と何度も訴えたのですが、「働いてるからしんどいねん。そんなん言うんやったら、たまにはアンタが作り」と返ってくるだけ。

「そりゃそうか~!花嫁修業がてら、いっちょ飯作り頑張るか~!(そのときは、興味はあっても、文句を言われるのが嫌で、あまりお料理することはなかったので)」

と、私がキッチン立ったら、「そんなものにみりん入れたん?」とか、「なんでこんな使い方すんの?!」「またそんなもん作って……」とか、最初だから下手くそで当たり前なのに、やっぱり文句の嵐をぶつけられまくって。しょげた私は、キッチンに立つことはなくなりました。(そんなんにみりん入れたん? は、料理がある程度できるようになった今だからこそ、納得できていません。笑)

それでも、惣菜を食べるのは嫌だったので、惣菜が並ぶ日は、納豆とかゆで卵とか、ササミ茹でただけとか、かぼちゃを電子レンジで温めたものとか、そんなものばっかり食べていましたね。(素材そのものを食べたり、塩をちょん、とつけて食べるの大好きです)

 

私の場合、長いフィギュアスケート人生の中で、毎日ダイエットをしていたから、味の濃いもの、脂っこいもの、を自然と身体が受け付けなくなってしまったのかもしれません。でも、それって要するに、私がノンノン! と首を振るものは、太りやすくて、摂取しすぎると体に悪いものということになります。私が考えるに、高血圧さんが、それを進んで摂取したら、そりゃ寿命縮めることになるのでは? という。

ちなみに、甘党の私は、こと甘いものになると、首を横に振る回数が極端に減ります。それでも、義理の父の甘味摂取量は、私に比べると桁違いでした。高血圧の面だけ考えれば、塩分過剰摂取よりかは、幾分かマシなのかもしれません。だとしても、「貴殿は、糖尿病にでもなりたいのかっ!」というレベル。

限度はあれども、食べたいものをある程度好き勝手食べたいなら、病院行って、お薬かなんかをもらわなきゃいけないでしょうし、病院行きたくないなら、自分で塩分管理等々しなきゃ駄目でしょう。どっちもしていない人が、高血圧で体が壊れてしまうのは、そりゃ自業自得というもの。

 

▼背伸びしない食事

〈太く短く〉か〈細く長く〉か――。

長生きするのが幸せとは限らないし、どちらの人生を選ぶのも個人の自由だけれども、残されて悲しむ人を見てしまった私は、美味しいもの、好きなものを毎日少しずつでいいから、好きな人とニコニコ笑いあいながら食べていく人生の方が、よほど幸せじゃないのかな、と思うようになりました。

そう考えてしまうからこそ、私は、インスタント、スーパーの惣菜、クックドゥなどのお助け調味料、外食、などなど……。

それらの力を借りたら、毎日、とっても楽になることがわかっているのに、わけのわからない化学調味料とか、塩分摂取量とか全部が恐ろしくて。全部手作りで、何を入れたか見えていないと気がすまなくなりました。多分、その類で使えるのといえば、白だし、顆粒だし、コンソメ、中華だしの素、オイスターソース、他ソース等々ぐらいだと思います。でも、これらも知識を得れば得るほど、どれもこれも体に悪いように思えて、なんとなく忌避してしまっているのが実情です。

 

会社員時代、家から職場までとても遠かった私は、朝が早くて、残業なくても、普通よりは帰宅時間が遅くて。なのに、朝ご飯も、お弁当も、夜ご飯全部手作りしてしまうという、新社会人なのに料理に妥協できないマンに。

なおかつ、働いていた母にかつて文句言ったからには、「どれだけ忙しくてもご飯は作れる!」「自分は母親と違って、朝から夜まで働いているけど、それでも頑張っているんだぞ!」と証明したかった、という気持ちも、自炊完璧にしていやるマンを助長していました。ぶっちゃけるとそんな意地、持っていたってお荷物でしかありませんでした。たいへんしんどかったです。家にいても、休む暇がノンノン!

そのうえ、当時の私は、ほか記事で語ったとおり、義理父の死で、怖いものもたくさん増えてしまって、保険金のことやら、母が住む場所やら、いろいろ毎日揉めて……。たくさん嫌なことが積み重なって、精神的にピークを超えていました。

だから、私はお仕事をやめました。心が落ち着くように、料理に思う存分、時間を使えるように、と。……結果、私はたしかに、自由にご飯を作れるようになりました。が、時間に余裕ができたからこそ、知識をたくさん得ることができたし、なんでも作れた。それがなおいっそう、どんなものでも、手作りしなければいけない、怖くなってしまう呪いに拍車をかけてしまったように思います。

作るのは楽しいです。お料理大好きなんです。でも、たまには手抜きしたくて、お休みしたくなるときもあります。「今日は外食でいっか! スーパーの惣菜でいっか!」と思えないことが、とっても重くて仕方ない。これでは、この先生きていくのがしんどいな、と日々痛感しています。

 

▼幸せな死に方

こないだお亡くなりになられた、野村監督の奥様、サッチーさんは、生前、こんなことをおっしゃられたそうです。

どんな生き方したって、人間の寿命はもう運命で決まっているんだ。だから、健康に気遣ったって無駄。好きなようにタバコ吸って、好きなもの食べて自分は生きるんだ、と。

私は、タバコ吸おうが、体に悪いものばっかり食べようが、人間の寿命は変わらない、とまでは思えません。ですが、タバコ吸っても長生きする人はするし、食べ物にどれだけ気遣っても、事故や病で早く逝ってしまわれる方がいるのも事実です。実際、旦那さんよりも早くに鬼籍に入ることになってしまいましたが、サッチーさんは、サッチーさん本人が望まれていた、〈幸せな死に方〉を迎えることができたのですから。

……要するに、ある程度は気にしたほうがいいけど、神経質になりすぎるのもよろしくないよね! ストレスだって、寿命縮めちゃうんだよ! っていう。うーん……、よろしくないというより、面白くない生き方、ですよね。私が大好きな某毛玉シリーズの狸もしきりに言いますから。「面白きことは良きことなり!」と。

 

私が大学生だった頃、ゼミの先生がおっしゃっていた言葉が、最近蘇ります。

「ジャンクフードに対してさ、『こんなの体に悪い』とか言う奴おるやん。俺、あれ嫌いやねんなぁ。いやだってさ、ジャンクフードは名前のとおり、『あ~、体に悪いもの食ってる~!』っていうのを、楽しむもんなわけやん。あんなもん、体に悪いなんて誰だってわかってんねんからさ。体に悪いもん食いたくない人間は、端からジャンクフード食うなって話やん」

いや、まったくもってそりゃそうだ、と膝をうちながら、自分にはどキツイ言葉だな、とも思いました。私も、ジャンクフードは手軽に食べられるけど、どうしても食べるものがないとき、しょうがなく食べるもの、とか。そういう最終手段として考えていた口なので。選手時代の「ジャンクフード=太る、悪」という方程式から、抜け出せていないというのも、あるんだと思います。

でも、よく考えたら、「しゃーなし食べたってんねん」っていう輩より、「あ~、体に悪いモン食ってる~!でも、うめぇ~!」って喜んで食べる人間の人生のほうが、はるかに面白い。だって、生きている中で、100%体に良いものばかりを口にする人生を送れるか、といえば、そういうわけではないのですから。

もちろん、ジャンクフードを毎日の主食にしてしまう人が身近にいたら、「ちょっと待った!」と言いたくなってしまいますが、たまに食べる時ぐらい、どうせなら、楽しんで食べるにこしたことはないな、と。そのほうが、死ぬ直前、「豊かな人生だった」と思えるに違いないでしょうし。……なんでも楽しんだもん勝ちに、私はなる。(チキンクリスプコスパ最強だと思います)

 

▼台所の支配者

最近は、同棲中のおおむぎ君が、お休みに外食に連れ出してくれることがあります。お仕事を辞めたのは、私が不安定な状態だったから、というのもありますが、元々は、お金に多少困ったとしても、土日くらい、二人でゆっくり過ごせる時間を増やしたいよね、という気持ちがお互いあったからなのです。お互い働いていると、どうしても土日は、家事に追われるばっかりで終わってしまいますから。

だから、外食にいけば、作る時間も省ける、後片付けもしなくて済む。お金は失っちゃうけど、ゆっくり過ごす時間は増えるんだよ。たまにはラクしていいんだよ。とのことで、少しでも外食に頼れるようにしていこう、としてくれているみたいです。申し訳ないようで、ありがたい。

 

mugi-mugino.hatenablog.com

 

上記の記事にも書いたとおり、この一年、たくさん怖かったことが、今はそこまで怖くなくなってきています。けど、唯一悪化しているな、と思うのが、このご飯作りへのこだわり。今やっていることは絶対無駄ではないし、将来も役に立つことだとは思うのですが、それにしたって、もうちょっと、気を抜いてもいいんだよ、自分! ラクすることも覚えていかないと、この先しんどいぜ! 「お前手抜きしてる!」って、誰かに指さされたって、「黙らっしゃぁーーいっ! 台所の支配者は我ぞ! 支配者に文句は許さぬっ!」とか言えるようになっておこう!

 

この記事は、今の自分、未来の自分への往復ビンタ文章でした。背伸びしすぎない、シンプルで美味しく、たまにはジャンキーでインスタントなご飯作りを目指して、頑張っていきたいと思います。ここまで目を通してくださってありがとうございました。 

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